2014年09月03日

金型のメンテナンスについて

金型は、メンテナンスして初めて機能を発揮します。
成形工場で成形機の稼働していない時間の原因を調査した
ところ、金型の故障が最も多かったという調査結果があります。

PPSやPOMなどは特にガスの発生が多いので頻繁にメンテナンス
が必要です。また長い間成形していると、スライドのレール部
分、水穴の錆、ガスが逃げ込む場所の損傷など・・・様々な箇所
が様々な理由で劣化してきます。

金型は、毎回500Kg/cm2程度の圧力が金型の内側にかかって
おり、尚且つ200〜300℃程度の樹脂を1分に1〜4回程度プレスし
続けている訳ですから、壊れないのが不思議なくらいです。

金型の初期費用をケチると、冷却不足や鋼材不良、スライド
レール無し等であとから費用が発生ししたり、すぐに寿命が
来たり返って高くなってしまったりという事態に陥ります。

良い製品図と良い材料選択、そして良い金型+アフターメンテ
ナンス性のバランスを取ることが必要になってきます。

金型の故障の原因は、大きく分けると4項目に分類されます。
(1)金型の設計不良
(2)金型の加工精度不良
(3)金型の摩耗・腐食
(4)金型使用時の操作の誤り

このうち、(1)(2)あってはならない項目です。

また、金型設計時には、メンテナンスの事も考慮した設計が
必要です。
分解しやすいように分解用孔を設けたり、フックボルト用ねじ
を設ける、組み込み補助用ねじ孔を設けるなど工夫します。
また、コア類がばらばらにならないようにフレームブロック構造
としたり、キーで固定する構造も有効です。コアピン類の配置
番号を刻印したり、方向性を一定にするためにツバカットを工夫
することもしばしば採用されます。

プラスチック金型のメンテナンスが必要になる原因のひとつが
成形時に発生するガスが液化し、金型へ付着することです。
使用する樹脂や形状に応じて最適なエアベントやエア溝を設置し
ガス抜き効率を実現する構造を取ります。このガス抜き技術が
金型のロングライフを実現することになります。

通常、金型メンテナンスというと(3)を対象にしています。
(4)は人為的な型傷で、10万ショットもすれば、何かが起
きる可能性がありますが、これを防ぐには、硬い鋼材を使用
するのが最も効果があります。

いずれの場合でも、故障が起きたときは、ただちに修理しな
ければならず、先延ばしするとさらに重大な結果を招くこと
になります。

金型のメンテナンスでは、工場によっては、メンテナンスと
オーバーホールの言葉を区別します。
メンテナンスとは、金型を分解しないで行う整備を言い、例え
ば2週間に1回、生産計画に入れて、定期的に行います。

オーバーホールとは、金型を分解して行う整備を言い、例えば
4カ月に1回、生産計画に入れて、定期的に行うものです。
方法としては、金型を分解し、それぞれのパーツを超音波洗浄
したり有機溶剤で洗浄し、錆びている部分を磨いたりめっきし
たりします。磨耗が激しい部分は、入れ子修正したり、部品交
換を行います。

メンテナンスの頻度は、成形品の品質管理状況や金型の大きさ
によってまちまちです。短い周期の金型では数日に1回、長い
周期の金型でも2か月に1回程度はメンテナンスが必要です。

簡単な補修は、成形現場でできる能力をつけることです。
そして、それには金型のメンテナンスのために、詳細なマニ
ュアルを作成することです。

大きな異常があってから修理するのでは多大な時間と費用が
かかります。日常の整備をしていれば、わずかな異常にも気
がつくようになり、大事に至らないうちに修理することがで
きます。

また、メンテナンスを効率的に行うためには、工具類、道具類
の工夫が重要です。
洗浄用ブラシ、分解工具、木製工具、布製治具、バフ、サンド
ペーパー類、磨きクリーム、ラップ剤、特製割り箸、竹へら、
竹櫛、エアーツール、クレーン補助具、Zライト、ルーペなどを
準備します。

作業台は作業しやすいように改善します。
作業しやすいテーブル高さ、歩行スペース、クレーン配置、
エアガン配置等を工夫します。図面を広げるテーブルやホワ
イトボード、デジカメ、ビデオカメラの活用も有効です。
ラベル:メンテナンス
posted by bintian at 13:45| Comment(0) | 中国金型製作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月29日

試作金型(簡易金型)の用途、メリットについて

試作金型(簡易金型)について、その用途、メリットなどに
ついて解説します。

■ 試作金型とは
金型構造を必要最小限の簡易的な構造に工夫して製作する金型
で、社内で成形する事を想定して製作、社外への持ち出し
(売り型)は行わず、試作評価用のサンプル品100個〜500個
程度の小ロットのみを納入する目的で製作される金型を言い
ます。従って金型の保管も1年程度を想定しています。

 ★小ロットの部品は試作金型(簡易金型)以外でも可能

■ 試作金型のメリット
試作金型による試作するメリットとしては、真空注型などの
試作と違って、射出成形機を使って製品を作るため、汎用樹脂や
エンジニアプラスチックなど熱可塑性の素材(ABS/PP/PC/POM
/その他)が一通り選択できます。
量産前に量産性評価を行いたい場合や、量産品に極めて近い品質
・機能を求める場合に有効な方法と言えます。

■ 使用材料について
試作金型では通常は、加工しやすいアルミ材を使用します。
アルミ材を使用することで、材料費15%、加工費35%程度安く
作ることが可能になります。

但し、アルミ材は、後で金型修正を行う場合は、放電や溶接に
よる加工ができないという制約があります。設計変更や改造が
想定される金型はアルミ材は避けた方が良いでしょう。
また金型ベースをアルミとした場合は、強度の点で繰り返し
使用はできません。

■ 複雑な形状への対応
コネクタなどの複雑な形状やPPSといった高温で使用される
樹脂にはアルミ金型では対応できない場合があります。
複雑な形状の場合には硬度の高い鋼材を使う事が望ましいの
ですが、金型製作時の加工性などを考え、必要な部分だけは
高硬度の鋼材を使い、比較的簡易的な形状部分にはアルミニ
ウム合金を使う、鉄とアルミのハイブリッド金型で対応します。

また形状が簡易的であっても、高温下で長時間成形持続する
場合にはアルミの機械的性質が低下するため、アルミは使用
せず鋼材で金型を製作する場合があります。

■ カセット方式金型
カセット金型は、金型の製品に関わる部分のみを交換し、共
用できるパーツに関しては共用を前提に製作される金型を言
います。

製品部分は製品形状ごとに製作が必要です。しかし成形機に
金型を取付けるためのモールドベースなど、他の金型と共用
しても支障がないパーツは、製作せずに流用し、価格を抑え
納期も短縮することが可能になります。

● カセット金型のメリット
 •キャビティ/コア部分など必要部分のみの製作なので工期
  の短縮が図れる
 •材料が節約できる
 •小ロット生産に向いている
 •金型の保管スペースを少なくできる

● デメリットとしては
 •大量生産には不向き
 •ベースが他の製品でも共用されているため社外への持ち出
  しができない
 •型の組換え作業があるため、成形費は割高になる

以上、課試作金型(簡易金型)は、量産前の試作品を、できる
だけ量産に近い形で製作する場合、また、小ロット品の製品な
どの用途で広く使われています。
金型は、スピードと価格がポイントとなります。
posted by bintian at 08:44| Comment(0) | 中国金型製作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月28日

求められる金型設計スキルの継承

金型づくりの上流工程である「金型設計」と金型技術者に
求められるスキルについて書いてみたいと思います。

 ★金型を中国で安く製作するには?

1.設計作業の進化
私が設計をしていたころは、ドラフターで、紙の上に鉛筆で
書いて、消しゴムで消しながらまた鉛筆をなぞって図面が
真っ黒になるまでを書いたものです。

設計も2次元CADに変わり「もう消しゴムで線を消さなくて
済む」ようになった時は画期的でしたが、すでに私は具体的
な設計作業からは離れていました。

1990年代に入るとPro/ENGINEERなどのツールを用いて3D
で設計を行うようになりました。2Dだけの時代に比べて干渉
チェックなどにより、設計ミスが大幅に減り、設計品質が向
上しました。設計期間の短縮や、標準化設計によるコストダ
ウンの検討も設計段階から検討できるようになりました。

2.設計スキルの向上
私は設計スキルを高めるために、多くの設計を経験したいと
考えていました。
また、部品の加工や組立および試作トライなどに立ち会い現
場で自分が設計した製品を実際に見て、各工程の技術者や職
人さんの話や考えを聞きながら自分の設計思想について話を
することも常に行っていました。

それにより色々なことが吸収でき、自身の設計スキル向上に
繋がったと自負しています。

また、過去の実績を整理するツールも乏しかったため、部内
や工場を駆けずり回ってデータを収集したりもしていました。
こうして集めたデータをもとに新たな設計を行い、良いもの
ができた時は現場の方々からの信頼にも繋がってきたと感じ
ています。

つまり、1人の知識や経験が少なくても技術者同士のコミュ
ニケーションを通じて情報しっかり集め、議論し、自分なり
に納得することによってスキルを磨くことができる訳です。

3.グローバル化と日本の金型技術力
ツールが整備され、完ぺきな図面は机上で作成できるように
なりました。新興国でも、ツールさえあれば同じレベルの
図面は容易に作成できるようになりました。

しかし、国際間競争にさらされている多くの日本の企業では
図面からは読み取ることが困難な様々な知識や情報を有効に
活用しきれていない、また継承されていないのが現状ではな
いでしょうか。

例えば、中国に代表される新興国の金型メーカーの急速な
技術力の向上と圧倒的なコスト競争力に対して、日本で金型
を作り続ける金型メーカーには一層の高品質、短納期、コス
トダウンが要求されています。

4.技術力継承の仕組み

それらを実現するためには、自身の過去の経験(成功事例や
不具合対策事例)だけでなく、他の設計者が得た経験をも
共有し活かせる体制や仕組みづくりが必要です。

一般的に熟練技術者は若手に技術やノウハウを教えることを
嫌い伝え方が不得手であることが多いと言われます。私自身
後継者を育てたい想いはあっても、自分1人の力で判り易く
伝えることは難しかったと実感しています。

しかし、会社組織の中では事業の成長や拡大のために若手に
技術やノウハウを伝承しスループットを上げていくことが
必要となっていると思います。

それに加え、益々より高度な顧客要求への対応も必要とな
ってきており、より精度を求めて、新しい素材を用いた金型
への要求など、自社だけでは対応できない新技術への対応
も必要になっています。

視野をもっと広げ、幅広く協力金型メーカーの協力を得て、
熟練技術者と知恵を絞りながら取り組む、技術強力、技術提
携することも必要です。

ツールは近代化されても、設計の考え方は不変だと思います。
ただ、スピードと、より視野を広げた対応が、今の技術者に
は求められていると思います。

 ★中国金型製作は4M管理でQCD達成
posted by bintian at 01:39| Comment(0) | 中国金型製作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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