2022年11月11日

円安!中国生産委託の注意点は?

歴史は繰り返す!
そういえば2013年にも、同じような状況があったんですね。

(以下は2013年の記事です。)
円安だからといって、部品や、原材料の海外調達率を下

げて国内調達に切り換えることも簡単ではありません。


一つの例ですが、今年の2月に注文をもらって、中国の

工場へ製造委託し、5月まで納入する製品は、その間に

円が10円も値下がりしてしまいました。

お客様とは円建て取引で、日本円で入金されますが

中国の生産委託工場へはUSドルで支払います。


お客様から1800万円の品物の注文を受けたとすると

2月時点では、1620万円(18万ドル)で仕入れ、1800万円

(20万ドル)で納入し、180万円(2万ドル)10%の粗利を

見込んでいました。


ところが、5月には、1ドル=100円まで急激に円安が

進んだために中国工場から18万ドルで仕入れるとすると

日本円で1800万円を中国の工場へ支払う事になります。

ところが、お客様からの入金は1800万円しかないので

粗利はゼロ円となってしまいます。


為替の変動リスクは、一般の企業で、年間90円±5円程度

と考えられますので、この想定リスク幅を大幅に超え

しかも短期間で変動したとなると、企業収益の面からは

大きな損失となってしまいます。

このような事例は、中国工場へ委託生産を行っている

企業では至る所で発生しています。


中国工場からの仕入れは

円安で10%、人民元の対USドル高で数%、中国の人件費

高騰が10%とすると、仕入れ原価が20数%上昇することも

想定しなければなりません。


今後中国の工場へ生産委託を行う際には、このような変化

を定量的に分析し、各案件ごとに慎重に事業判断していく

ことが必要となっています。
ラベル:委託生産 円安
posted by bintian at 00:00| Comment(0) | 中国委託生産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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